神秘の島・仙酔島へのお呼ばれ旅【6】山散策で無我の境地


仙酔島での2日目は、朝食前に「赤岩展望台」、仙人がつい気を許して寄って寝てしまったという「仙人ヶ浜展望台」、「古代への入口」「宇宙への入口」が近くにある夫婦坂のルートを散策しました。

仙人ヶ浜からの景色。仙人ヶ浜は「天とつながる場所」とも言われています。

そして朝食の後、チェックアウトをすませ、悟りを開く修行僧のような心持ちで(?)本格的な山の散策を開始。

仙酔島の山は3時間ほどでまわれる小さなものだそうですが、道を間違えて山の奥へと行ってしまうとゼロ磁場で方向感覚がなくなり、迷う(そして出てこられなくなる)危険もあるそう。

地図も読めない極度の方向音痴だということもあり、不安と恐怖はありましたが…なぜか山を歩かなくてはいけない、と、覚悟というか決心のようなものはすでに最初からありました。

前日の探索ですでに足は筋肉痛と疲労で重く、入ってすぐの上り傾斜に登れる気がしなかったのですが…これもお呼ばれの一種、なのでしょうか。

怯む気持ちとボロボロの身体とは別に、足は前に進んでいました。

五色のエネルギーのせいで、木が曲がりくねり幹が八つ九つにも分かれて爆発しているようなウバメガシが生えています。

NHKでも特集された「蝶の道」。蝶の通る道は「天上界へ続く道」と言われているそう。蝶の道ではアゲハとタカを見ました。でも、期待していたような不思議な体験も幻想的な風景にも出会えず、残念。

途中、獣道のような場所もあり、どう進めばいいのか迷うところも。その時は人の声がしたのでそっちに進みましたが、タイミング悪く変な方へ行っていたらと思うと…。

時々見かけた白いきのこ。

ところどころに落ちている赤い葉は道しるべのようで、なんか嬉しかったです。

道中、黒と黄色のパンチのきいた大きなお蜘蛛様の巣は怖いし、上り坂は足が上がらないし荷物は重いし、フラフラしながら一心不乱に歩く私。

なぜこんなことに?と思いながら、木のたくましさと生命力に脱帽。そして自然の脅威、という言葉を思い出したのだけれど、次の瞬間、人間の方がよっぽど怖い、と、ふと。

足はもう限界だったし、途中、下山できる道にも差し掛かったのに、自分の意思というよりは何かに引っ張られるように、私は決めていた道を進んでいました。

布袋様が鎮座し、学問の神様・普賢菩薩がいる「大弥山」、海の神様・住吉さんが奉られている「中弥山」、小弥山を通り、約3時間の山道散策は終了。

気持ちよさとしんどさが同居する不思議な時間でした。

多分、この島の行けるところには全部行ってみたかったのだと思うけれど、なぜこんなに頑張れたのか、今でも不思議です。

ただ、この山登りで、もしかしたら私は限界がきても、目指すものや自分の気持ちに迷いがなければ、「諦めず」そして「努力をして」目標を達成することができるのかもしれないと思うことができるようになりました。

そう気づけたことが一番の収穫かな。

「登らない」選択もできたのだけれど、勇気を出して登って良かったです。

持っていた水も飲み切ってしまい、久々に喉が渇いて脱水状態だったので、下山後、下の売店で食べようと思っていたソフトクリームはやめ、お酢入りのソーダに。お店の方に「酸っぱいですよ」と念を押されましたが、仙酔島の山を制覇した私にはベストチョイスでした。

そういえば、山には神様や龍神様がいると聞いていましたが…

無心、でも蜘蛛などの虫は怖い、何より満身創痍で進むだけで精一杯だった私には、残念ながらその存在に気付けるだけの余裕はありませんでした。(あの時の私はお酢入りソーダの中に神様を見ました)。

つづく。

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