共生と共存〜「ウイルスの身になって考える」船橋真俊さん著「表土とウイルス」より

人類至上主義的な考え方をやめる、と心に決めたら舞い込んできた記事。

新型コロナウイルス発生の本質を考えるための情報として、ソニーCSLのメールマガジン「T-pop News No.177」に船橋真俊さんが寄稿した「表土とウイルス」。

新型コロナウイルスにまつわる様々なニュースや記事を読んできましたが、今のところ、一番読んで良かったと思ったのがこれ。

著者が実際に体感した世界情勢に始まり、感染対策、ウイルスという存在の本質、本来の生物の生態系、新型コロナウイルスの出現を機に今、人類が向き合い、考えなければならないこと…専門的なことも書かれているのですが、わかりやすく、納得感もあり、すごく勉強になる記事です。

「表土とウイルス」船橋真俊さん 著
https://synecoculture.org/blog/?p=2640

特に気に入ったのは「ウイルスの身になって考える」という、ウイルス発生の過程がウイルスの一人称で語られる物語仕立ての章。地球の視座はありましたが、さすがにウイルスは思いつかなかったので斬新でしたし、読み物としても興味深かったです。

何より、ウイルスのスタンスが何というか…今ある凶暴なイメージとはちょっと違い、今、私たちは必要以上にウイルスを怖れ、そのせいで正しい判断ができなくなっている(最初は油断と過信で、そこから一気に過剰な警戒となり、その真ん中がない)など、色々と考えさせられました。

また、共生・共存の方法を考えるようになっていたので、記事全体を通して、ウイルスも生態系の1つであり、そもそも共生する形が前提としてある、調和のとれた自然な形である、ということがわかり、自分の考え方に自信が持てました。

ウイルスの消滅を目指す声が多い中、それに抗うように、多分それは違う気がする、それではきっと本当の意味では解決にはならない…という違和感がどこかにあったので、ウイルスの弱毒化、という形の共生・共存は、個人的には納得感のあるゴール。

何人かの医師が「新型コロナウイルスは今後、インフルエンザのような季節性の疾病として付き合っていくことになるだろう」とコメントを出しているのを見ましたが、私もそうなる気がしているし、きっとそれが自然な形なんだろうな、とも思います。

人間としてのエゴをどこまで捨てることができるのか、私自身、見当もつきませんが、できる限り、自然な形での共生・共存を。でなければ、自然の摂理から、今ある生態系から、ウイルスではなく人間が弾き出されてしまう…そんな気がしています。

ウイルスの使命はすべての生命の進化を支えること。地球生命圏を支える一員であること。

猛威をふるい、今や完全に恐怖の存在となった新型コロナウイルスをそんなふうに見ていると声を大にして言ったら、ともすれば大勢の方からお叱りを受けそうな気もしますが…

地球の生態系では人類至上主義の考え方がそもそも間違っていたこと、今、その歪みが色々なところに露呈していること、すべてはバランスの上で成り立っていること…。

ウイルスが人類に対して無害化、もしくは弱毒化すれば、ウイルスの抹消に固執せず、人類とウイルスの共生という選択もできるということ。

ウイルスの見方、関わり方、考え方を変えることで、早期正しい事態の解決と、本来あるべき生態系への理解につながればいいなと思います。

この記事が多くの方に届き、そして考え方が変わるきっかけや、発想の転換のきっかけとなることを願って。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

「表土とウイルス」船橋真俊さん 著
https://synecoculture.org/blog/?p=2640

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