【美人の足音】6.美人の食事、食べる音

皆さんは食事中のマナー、どのくらい意識していますか?

私は以前、マナー検定を受けたことがあるのですが、その頃から食事でのマナーには特に気をつけるようになりました。

年齢を重ね、ドレスコードやマナーが求められるレストランなどでの食事の経験も増えた今では、確かにマナーは大事だけれども、カトラリーを使う順番や魚の食べ方を気にするよりも、目の前の食事を楽しみ味わうことの方がずっと大事だということに気づき、そこまで気にしなくなりました。

ただ1つ、食事中でも意識しておいた方がいいと思うことがあります。

それは、会話も含め、食事中に発する「音」のこと。

極端な話、テーブルマナーや食べ方は、同席者など、それが視界に入る人にしか見えません。だから、大人数の食事会など特別なシーン以外では、実はそこまで大きな問題にはなりません。

でも、音は違います。音の大きさによっては、不特定多数の人まで届いてしまう。

例えば、グラスや食器、カトラリーがぶつかる音。食べる時の音。会話の内容や声の大きさ。

その音が大きく、そして回数や時間が長きに渡れば、それは周囲への不快感として蓄積されます。

過去、同伴者にされて嫌だと思ったのは、ホテルのラウンジで食事をしているとき、皆さんが静かに食事をしている空間で、何度も音をたてて鼻をかまれたことです。しかも思いっきり。

鼻水が出てしまうのは仕方のないことだけれど、静かにかむことだってできるのに、多くの人が静かに食事をする空間で、わざわざ大きな音をたてて鼻をかむ必要性がわからず…「もう少し静かに」と促しても聞いてはもらえず、鼻をかんだティッシュがテーブルの上に山積みになっていくのを見ていることしかできませんでした。

わりと遠くの席の方がちらちらとこちらを見ていたので、おそらくかなりの範囲に響き渡っていたのだと思います…。そりゃ、食事中にズルズルの鼻水の音なんて聞きたくないですよね…しかも赤の他人。

このような時、自分のことしか考えられず、他人の不快感に気づけないのは、テーブルマナー以前にどうなのかな、と思ってしまいます。

これは、会話の内容や声の大きさにも同じことが言えます。初めて行ったカウンター席しかないお鮨屋さんで、かなりできあがっていた先客たちの会話がとにかく大きくて、隣に座る同伴者の声すら聞こえなかった時は、さすがにうんざりしました。居酒屋のような賑やかな空間ならまだしも、客同士の距離も近い空間で、なぜ全員に聞こえるようなボリュームで、声を張り上げるように喋るのか。

盛り上がってつい声が大きくなってしまうことは誰にでもあると思います。でも、常にその空間には自分たちだけがいるわけではないことを忘れないでほしいのです。

これらは大きな音の例でしたが、実は食事中の音、小さな音でも気にする人はけっこう多いです。

女性から聞く話で特に多いのが咀嚼の音。他人が食べた物を咀嚼する時のクチャクチャという音を気にする人は意外と多いです。「あの人、カッコいいのに食べ方が無理」とか、「綺麗なのに食べ方に品がない」など、けっこう手厳しい…。

そのような食べ方をする人が身近にいなかったので、最初はわからず、私自身はそこまで気にしていなかったのですが、実際にそのような食べ方をする人に出会ってからは、確かに気になり始めました。人によっては重大なチェックポイントとなる項目として。

ただ、音をたてている本人は多分その音に気付いてはいません。

咀嚼音違いになりますが、顎関節症など、顎に不調のある人に多いと聞いたのが、歯なのか骨なのかがぶつかって聞こえるポクポク音。これはクチャクチャ音と比べると何だかかわいいのですが、何人かに指摘(?)したところ、本人には聞こえていないことがわかりました。

咀嚼中の音が本人には聞こえない音なのであれば、私も音をたてて食べてしまっている可能性大、なので、何も言えませんが…。

クチャクチャ音に関しては、わりと異性からの評判が良くないので、(女性の場合は同性にも厳しい)、嫌われたくなかったら気をつけた方が良さそうです。

何はともあれ、食事中に発する音も、美人の条件の1つ。

食べるときに音をたてないのは無理ではないかもしれませんが、不自然なので、小さく品よく、を心がけると良いと思います。

美人の食事は、無音ではなく美音、そして自然音です。食事中の音にも美と品を潜ませましょう。

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